FRBが利上げしたら米国債はどうなる?
「持っている人」と「これから買う人」で答えが違う
- 利上げが進むと、すでに持っている米国債の市場価格は下落しやすい(金利と価格はシーソーの関係)
- ただし満期まで持てば額面(ドル建て)で償還=途中で売らなければ、価格下落は「実現しない」
- これから買う人にとっては、より高い利回りで買えるチャンスという面もあります
- 一方で日本の個人には為替リスクが常に乗る=将来円高が進めば、円に戻すときに目減りする可能性があります
- (2026年9月時点:米10年債利回り4.78%・ドル円153円台/次回FOMCは9月15〜16日)
※ この記事は「金利(利上げ)と米国債」の関係が中心です。為替面の損得(円安のいま買っていいのか)は 円安のとき米国債を買うのは損?得?、金利と債券価格の仕組みそのものは 利上げで債券価格はなぜ下がる? で詳しく解説しています。
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米国債(利付債・ストリップス債)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
① いまFRBは「利上げ観測」の局面
2026年の米国では、利下げではなく利上げの観測が出ています。
- 次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)は9月15〜16日に開催され、9月16日に政策金利が決定されます(今回はSEP=経済見通しが公表される回です)
- 米10年債利回りは4.78%(2026年9月時点)。日本(政策金利1.00%)より高い水準です
- ただし「観測」はあくまで観測です。利上げが実際に行われるか・どこまで進むかは事前には分かりません
そこで本記事では、利上げが進んだ場合の米国債を「持っている人」と「これから買う人」に分けて整理します。
② 持っている米国債はどうなる?:価格は下落・ただし満期なら額面
金利と債券価格はシーソーの関係です。金利が上がると、低い利回りで発行された既発債は魅力が落ち、市場価格が下落します。
- 利上げ(=金利上昇)が進むと、手持ちの米国債をいま売った場合の値段は下がりやすくなります
- 残りの期間が長い債券ほど、価格の下落幅は大きくなる傾向があります
- ただしここが重要な点で、米国債は満期まで持てば額面(ドル建て)で償還されます
- つまり途中で売却しない限り、価格下落は「含み損」のままで実現しません
ただし円に戻すときの価値は為替次第(後述)
③ これから買う人には「高い利回り」のチャンス
同じ利上げでも、これから買う人から見ると景色が変わります。
- 金利が上がる=新しく買う債券の利回りが高くなるということです
- 米10年債利回り4.78%という水準は、円建ての個人向け国債(変動10年1.95%)と比べても高い水準です
- ただし「利上げ後の底値」を狙って待ち続けるのはおすすめしにくい考え方です。金利がどこまで上がるかは誰にも分からず、待っている間の利回りも受け取れません
- タイミングを断定できない以上、時期を分けて少しずつ買う(分割購入)のが現実的な選択肢になります
利付債とストリップス債の違いは ストリップス債 vs 利付債、手取りの試算は 米国債シミュレーター でどうぞ。
④ 為替リスクの正直な整理:金利と為替の「二重構造」
ここまではドル建ての話です。日本の個人が米国債を持つ場合、これに加えて為替という2つ目の変数が常に乗ります。
- 満期に額面(ドル建て)で戻っても、円に戻すときに円高が進んでいれば、円ベースでは目減りする可能性があります
- 逆にさらに円安が進んでいれば、円ベースの受取額は増えます。どちらに動くかの予想を断定することはできません
- いまはドル円153円台と、39年ぶりの円安圏です。「ここから買う」ことは、この水準でドルを持つことを意味します
- また、利子や譲渡益には20.315%の税金がかかります(日本居住者の場合)
つまり米国債の損益は「金利(債券価格・利回り)」×「為替」の掛け算で決まります。円安のいま買うことの損得は、円安のとき米国債を買うのは損?得? で正面から扱っています。
⑤ 日本の個人向け国債との使い分け
「値下がりも為替も気にしたくない」お金まで米国債に寄せる必要はありません。役割で分けるのが基本です。
| 項目 | 米国債 | 個人向け国債(日本) |
|---|---|---|
| 利回り | 10年4.78%前後(時点による) | 変動10年1.95%(2026年10月発行分) |
| 元本 | 満期なら額面(ドル建て)。円ベースは為替次第 | 円建てで元本保証(額面発行・額面償還) |
| 途中の価格 | 市場価格が変動(途中売却は損益あり) | 価格変動なし(発行1年後から元本割れせず換金可) |
| 向くお金 | 高い利回りを取りにいく余裕資金 | 円のまま守りたいお金 |
なお、米国の利上げが日本の金利に波及するかは別テーマなので踏み込みません。個人向け国債の手取りは 日本国債シミュレーター、株式との比較は 米国債 vs S&P500 をご覧ください。
よくある質問
Q. 利上げが決まったら、持っている米国債は売るべきですか?
一概には言えません。満期まで持てば額面(ドル建て)で償還されるため、途中で売らなければ価格下落は実現しません。売却は資金計画と為替水準もあわせて判断を。
Q. 買うのは利上げが終わるまで待つべきですか?
金利がどこまで上がるかは事前に分からず、底値を狙って待つ間は利回りも受け取れません。時期を分けて少しずつ買うのが現実的な考え方です。
Q. 満期まで持てば損はしないのですか?
ドル建てでは額面で戻りますが、円に戻すときに円高なら円ベースで目減りする可能性があります。また利子・譲渡益には20.315%の税金がかかります。
Q. 金利と債券価格はなぜ逆に動くのですか?
新しい債券の利回りが上がると、低い利回りの既発債は相対的に魅力が落ちて価格が下がるからです。しくみの詳細は「利上げで債券価格はなぜ下がる?」で解説しています。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。金利・為替・債券価格の見通しは不確実で、FOMCの結果や市場の反応を事前に予想することはできません。記載の利回り・為替水準は2026年9月時点のもので、条件は変動します。満期償還はドル建ての額面についての仕組みであり、円ベースの受取額や将来の損益を保証するものではありません。最新情報は各金融機関・財務省・FRBの公表でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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